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広島市中区袋町|理学療法士による施術と運動療法【フィジオ】

膝の痛み

膝の痛み

膝の痛み

目次

01.膝の痛みの原因

 

膝の痛みの原因は大きく分けて3つです。

 

1つは膝のパーツの一部が壊れているもの、半月板損傷や膝の靱帯損傷、変形性膝関節症(のある程度進んだもの)がこれにあたります。多くはレントゲン撮影やMRIに写りますので、病院で写真を見せられて病名を告げられます。

 

2つ目は膝の姿勢不良による痛み、O脚やX脚だと膝が痛くなるという話を聞いたことがあるかもしれません。O脚やX脚だと膝の内や外に無理な引っ張りや曲げの力が加わって痛みが出てきます。多くの場合はレントゲンやMRIには映りませんが、鏡の前で姿勢をチェックすると気づくことが多いです。
歩いたり立ったりする時間が長くなると痛くなったり、日常生活の歩きや立ち座りでは痛くないけど、ランニングや自転車を漕いだ時に痛くなったりする痛みはこれが原因です。

 

3つ目は関節が柔らかすぎて逆に反ってしまった時の痛みです。関節に無理をさせているという点では2つ目の姿勢不良の痛みの一種ですが、レントゲンやMRIでは何も映らず、正面からも気づきにくいので、O脚、X脚以上に見落とされることが多いです。
膝の関節が柔らかい方、ふくらはぎが硬い方、膝の筋肉のマヒや筋力低下などでも起こります。

 

2つ目、3つ目の痛みはレントゲンやMRIに映らないので病院では異常なしと言われたけど膝が痛いんですという時に、真っ先に疑う原因です。

 

注意しなければならないのは、レントゲンに映らないからといって放置すると負担がかかった膝で半月板が傷付いたり、軟骨が摩耗してパーツが壊れた痛みに移行してしまうことです。
関節に負担を掛けた状態で膝のパーツを壊してしまうと負担がかかった姿勢を改善しない限り、手術やリハビリをしても治りが悪くなってしまいます。
  「レントゲンで異常がないから大丈夫」と考えず、負担を掛けている姿勢や動きを改善させる  「手術すれば大丈夫」と考えずパーツが壊れた原因を改善させる これをやっていくだけで、効果が違います。

02.膝が原因で起こる症状

 

膝は下半身の関節の中で最も動かしやすい関節ですので、膝が痛い、膝が曲がらない、伸びないという時はすぐに体の動きに難しいさを感じます。

 

膝が原因で起こる症状
・歩くと痛い
・歩くとふらつく
・立ち上がるのが億劫になる
・階段の登りが痛い
・階段の登りで力が入らない
・階段の下りでふらつく
・階段の下りが怖い
・しゃがめない
・正座ができない
・ギックリ腰を起こす
 

膝が原因となると膝そのものの痛みや動かしにくさを感じるので、「今、膝を傷めているな」というのは自覚しやすいと思いますが、膝は動かしやすい関節でもあるので、
 
・足首や股関節など他のところをかばって痛くなる
・反対の足をかばって痛くなる
・全身の体力の低下で膝に負担がかかる
 
といったことが起こります。

 
 

膝が痛い時、原因は膝そのものとだけ考えず、膝に負担を掛けた他のところの影響を見極めて改善させていくことが重要です。

03.膝の痛みの解決策

 

膝の痛みは大きく次の3つの方法(+1)で解決していきます。
 

施術
施術の一番の目的は動きにくいところの動きを取り戻したり、硬いところの柔軟性を取り戻すために行います。
膝の場合、膝関節の曲げ伸ばしができているかが重要です。膝というと多くの方が曲がらないことに不安を感じ、特に日本人は「正座ができない」ことを気にされますが、世界的に見て正座が長時間できるのはアジアの一部の民族だけです。正曲がりに関しては洋式トイレができる角度、お風呂のイスに座れる角度、しゃがめる角度と順番に目指していき正座を目指すのは最後の最後と考えています。
逆に伸びに関して気にされる方は少ないのですが、ストレスなく歩くには完全な膝の伸びが必要ですので、できるだけ左右差なく完全に伸ばしていくのを目指します。歩くと楽になったと言われる時は本人も気づかなかった伸びの制限が改善しているケースがほとんどです。
 

運動
膝の痛みを改善するには筋力をつけましょうと言われるわりには効果的な膝の運動を教えられる人は少ないと感じています。
膝は筋力を高め関節をしっかり安定させることで痛みの改善が自覚しやすい関節ですが、ポイントを押さえて行わないと痛みが出やすい関節でもあります。筋力を高め関節を安定させるためには3つのステップを順番に進める必要があります。
 
第1ステップ 力を使う感覚を養う
第2ステップ 単純な動きと負荷で筋肉を強くする
第3ステップ 日常に近い動きで筋肉を強くする
 
第1のステップは筋肉を使う感覚を養う運動です。筋肉を使う感覚がないままいきなり負荷をかけると強くなる前にケガをしてしまいます。病院のリハビリ室で高齢の方が行う運動がこれにあたりますが、スポーツ選手であっても手術の後などはここから開始します。
ポイントはがむしゃらに強くやることではなく丁寧に筋肉の動きを養うことです。
最初のステップなので危険性が少ない方法ですが、基礎の運動なのである程度の期間で効果がなくなるという面もあります。
この第1のステップで痛みが出たり、極端な筋肉痛になる時はやり方が間違っています。
 
第2のステップでは単純な動きと負荷で筋肉を強くしていきます。第1のステップと同じ運動に重りを使用することで負荷を掛けたりマシンを使ったトレーニングがここにあたります。重すぎる負荷だとケガしてしまったり、思っているところと違うところを鍛えてしまったりします。逆に軽すぎる負荷だと時間を掛けてやるわりには効果が出ません。
正しいやり方で狙ったところを鍛えることと、適切な負荷と回数で確実に筋肉を強くする必要があります。
 
第3のステップは日常に近い動きを使って筋肉を強くすることです。野球の選手とボディビルダーを比べた時に筋肉だけ見ればボディビルダーの方が強いですが、走ったり跳んだりボールを投げたりといった動きは野球選手の方が優れています。これと同じように筋肉だけを強くしても立ち座りや歩行、階段といった動作が素早く安定するというわけではありません。筋肉が強くなったらその筋肉を実際の動きの中で使うことでバランスや協調性といった神経の働きを刺激して動作が改善します。
身近なところではスクワットやイスからの立ち座り運動がこれにあたり、間違ったフォームで行うとすぐに痛みが出てしまいます。
第1、第2ステップを丁寧に行なってある程度の負荷に体を慣れさせておくことと、正しいフォームで行うことが必要です。
 
以上の3つのステップには順番とそれぞれのポイントがあります。最初に「膝の痛みのために運動しなさいと言いながら適切に指導できてないケースが多い」と指摘しましたが、いきなり第2ステップや第3ステップの運動を指導したするケースが多くみられます。
膝の痛みがある人に「膝の筋力が足りないからスクワットを毎日30回やりなさい」というのは風邪をひいて熱が出ている人に「体力がないから30分ランニングをしなさい」といっているくらい乱暴な指導です。

 

日常生活指導
3つ目の方法は普段の生活での工夫です。膝の痛みの場合は無理に膝を曲げる生活をしていたり、痛みをガマンして歩いている状況があると痛みが出やすくなります。
床に座ってテーブルで食事をしている方が食卓テーブルとイスに変えるだけでも痛みが改善します。また、どうしても部屋が狭くて食卓が置けない方は足付きの座椅子にして膝の曲げを無理させないようにするだけでも効果があります。
歩く時の膝の痛みに杖やサポーターを使用するというのはよく見かけますが、50代や60代では杖に心理的な抵抗があることもあります。通常よりもしっかりしたタイプのサポーターやテーピングの併用、靴の中敷きで改善するケースもあるので、歩き方や立ち方、その方の筋力や関節の具合から判断していきます。

 

+1 病院受診のおすすめ
症状をお聞かせいただき、みさせていただいた段階で医療機関を受診した方が良いと判断した時は病院への受診をおすすめしております。これまで膝に関連した症状で病院受診をおすすめしたケースは
 

・転倒して起こった膝の痛みと腫れ(骨折と判明)
・階段を踏み外し足の裏を強く床に踏みつけ発生した痛み(お皿の骨折と判明)
・歩いていて膝を捻って起こった痛みと腫れ(膝の靭帯の損傷と判明)
・何もしていないのに強い痛みと腫れ、関節の水が溜まる(リウマチと判明)
・足の付け根の痛みと膝の上までのぼんやりした痛み(レントゲンで股関節の症状と判明)
 

上記のようなものがあります。
   

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