「痛い施術で良くなった」
という人がいるのはなぜ?

『会社の人が
「あそこの整体、痛いんだけど良く効くんだよ」
「やっぱり痛い方が早くよくなるよね」
って言うんですけど、痛い方が効くんですかね? 』
こんな質問をよく頂きます。
結論から言うと
“痛い施術の方が治療成績は悪いです”
痛みは身体にとっての警告信号です。
筋肉、関節、皮膚など身体が外から攻撃されて破壊されそうになった時に発する危険信号です。
痛いことをするということは、
身体が「何か無理なことをしているけど大丈夫?」と言っています。
無理なことをしているとわざわざ言ってくれているのに、
それを無視して続けることを暴力と呼びます。
注射や点滴はもれなく痛いですが、
あれは血管を守っている血管や筋肉を一部破壊して薬剤を注入しているからです。
筋肉や皮膚を一部破壊してもそれ以上の治療の恩恵があるためにやっています。
注射や手術は身体への破壊行為そのものなので、
お医者さんや看護師さんは厳しい法律の元で
治療が暴力にならないように専門的で高度な教育を受けて実施しています。
整体施術で痛いことをされたという方は多く、
それでも“効く”と言われるのはなぜでしょうか?
経験的ではありますが、
これまでの臨床経験から感じたことを書いておきます。
100人の患者さんがいたとして、
“痛いこと”をやっても60人の人は良くなります。
残りのうち20人は変化がなく、
最後の20人は悪くなります。
痛いことを無理してやると
身体の許容範囲を超えて関節を伸ばしたり
筋肉に力を加えてしまうからです。
良くなったという人には男性が多く
悪くなったとい人は
体力が少なく、体格の小さい女性が多い印象です。
同じ100人の患者さんがいたとして
“痛くないこと”をやれば95人は良くなります。
残り5人は変化がありません。
悪くなるという人はいません。
100%良くなると言えないのがもどかしいですが、
痛みの原因が別のところだったり、
やり方が合わなかったりすることがあるので
現実的にはそのくらいです。
ただ悪くなった方はおられませんので、
ある程度の期間で効果が出てないとわかれば
変化が出ていない5人には
別の方法を試していくことができます。
痛い施術を受けられた100人のうちで
症状の改善した60人という
“少なくない方々”がそう言われるので
「痛いことをした方が良くなる」
という意見が根強いのかと思いますが、
それ以外の40名をたくさんみてきましたので
やはり私は痛いことをしません。
これらは正確なデータではありません。
20年理学療法士をやって山ほど患者さんをみてきた個人の感想です。
“痛くない方が治療成績が良い”

吉岡 勲(よしおか いさお)
フィジオ代表 理学療法士
1998年 安古市高校卒
2002年 神戸大学医学部卒
理学療法士国家試験合格
2008年 ドイツにて認定セラピスト資格取得
〜2020年 医療機関に勤務、整形外科・脳外科・スポーツ外来・在宅訪問リハビリなどでプロのスポーツ選手から高齢者までのリハビリテーションに従事
2020年3月 フィジオを開設

渡邉 悠也(わたなべ ゆうや)
フィジオ チーフトレーナー 理学療法士
1998年 延岡学園高校卒
2002年 藍野大学医療保健学部卒
理学療法士国家試験合格
2008年 呉市立呉高校野球部トレーナー
広島北リトルトレーナー
広島経済大学トレーナー
整形外科に勤務するかたわら、スポーツチームにてトレーナーとして従事、2022年スポーツ選手専門コンディショニング「Links」を立ち上げ同時にフィジオのチーフトレーナーに就任